流れ星のカケラ【完】
坂木さんも…
坂木さんも両親が殺されていたの?
私と同じ時期に?
『俺ね、警察になる!って思ってたけどさ
夢を持つだけで希望を持ってなかったんだよ。
生きる希望を持ってなかったんだよ。
優貴ちゃんは夢と希望を持ってる?』
私は…
私は犯人を早く捜して空に向かって謝ってもらいたい。
それは、夢として考えていいのかな?
でも、もしその夢が叶ったらきっと私は安心して
お母さん達のところに行くだろう。
坂木さんと同じで
私には夢があって希望がない。
『優貴ちゃん、もし俺と同じ様な思いをしてたら聞いて欲しいんだ。
今は夢だけあって希望はないかもしれない。
でも、いつかきっと優貴ちゃんの前に希望の道が見えるから。
いつか突然目の前に優貴ちゃんに希望をくれる人が現れるから。
それを信じて前を向いて。
今は泣いてもいいよ。我慢だってしなくていいんだ。
でも、優貴ちゃんがいつかは泣かなくなる日が来る、
そう信じて…
そう信じて前に向かって進んで。
こういうの、辛いかもしれないけどさ
絶対に後ろに向かって進むのだけはしないでくれ。
後ろに進めば進むほど、
自分じゃなくなるから…。
俺は、優貴ちゃんみたいに声が出なくなってしまったわけではないけど、
優貴ちゃんと同じ様な過去を持っている一人の人間としてからの
この言葉を…
この言葉を忘れないで。
''絶対に後ろには進まない''と。
''前に進んでいつか希望の道が開ける''ことを。』
坂木さん、ありがとう。
私、この言葉を胸に秘めていたから…
聖に出会う前でも…
美奈だけじゃダメに鳴りそうだった時も…
坂木さんのおかげで助かったんだ。