流れ星のカケラ【完】

しばらく車に揺れること30分。

車が止まった前には高級そうな高層マンション。

ここが坂木さんの家??

大きいな。

『優貴ちゃん、駐車場に車入れてくるからちょっと入り口で待っててくれる?』

坂木さんの言葉に私は頷き車を降りる。

坂木さんって何回に住んでるんだろう…。

最上階だったら星、1番近くで見れるよね?

お母さん達に今私が立っているところよりも近づけるよね?

お母さん達にもっともっと近づけるようになるにはどうすればいいのかな?

宇宙に羽ばたけるようなものって…

ロケット?

でも、私はロケットなんて持ってない。

ロケットって宇宙飛行士が乗って宇宙に行くよね。

私、宇宙飛行士になってお母さん達に少しでも、

1度でも近づきたい。

私、目は結構いいほうだし、頭も頑張れば…。

でも、問題があるよね。

私の声、

出ないとやっぱり宇宙飛行士はできないよね。

いつ私はしゃべれるのかな。

神様がわざと私の声を消したの?

きっと…

きっともし声が出ていたら

私が泣き叫ぶから?

今、声が出なくてもいつかは出せるように信じたい。

そうすれば坂木さんに

私は、生きる希望を見つけたといえるから。


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