流れ星のカケラ【完】

『ちょっと訳有りでね…。』

私は坂木さんの彼女さんにペコリとお辞儀する。

私が顔を上げて彼女さんを見たとき、

彼女さんは私に対してすごく笑ってくれた。

でも…

『もしかして浮気?私という大事な大事な彼女がいるのにっ!!』

『いやっ、ちがっ』

坂木さんが言う前に彼女さんが思いっきり腹パンを坂木さんに仕掛けた。

でも、坂木さんだけかもしれないけど刑事さんなだけすぐにかわしてた。

『ふぅ。まだ鈍ってないね。』

彼女さん、何気に怖いよ…。

坂木さんって絶対に亭主関白とかになりそうな人だけど、

今の光景を見てそうはもう思わなくなった。

『鈍ってないてさ、俺まだ26なんだけど。』

坂木さん、26歳なんだ。

私が予想してたより1歳上だった。

『四捨五入すればもう30でしょ?』

『年齢を四捨五入とかそんなのあんま聞いたことねぇよ。』

今の会話からして彼女さんはまだ20代前半?

年上の人に向かって腹パンとかなんかすごくて尊敬しちゃう。

『ああいえばこういうのやめてもらえる?カバチばっか言ってさ。』

''カバチ''って広島弁?

確か『屁理屈』だよね。

『もういいや。それよりさ、この可愛い子誰??』

彼女さんは私に気を使ってくれたのか、

もう坂木さんと話すのがメンドクなんてるのかわからないけど、

私のことを聞いてきた。

『だから、この子訳有りなんだって。』

坂木さん、私に変な気を使ってくれてるのかな?

''今日、両親が殺されたんだよ。''

そう私の前で言ったらきっと泣いてしまうと思ってるのかな?

それとも、坂木さんが私と同じような現状で言われたことがあって嫌だったから?



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