流れ星のカケラ【完】
3番目のとこまで行くとみんなの視線が一気に強くなる。
「えっと、西崎美奈です。みんなも知ってると思うけど、モデルやってます。趣味はバスケです。よろしくお願いします。」
パチパチパチと今までの自己紹介で1番大きい拍手が聞えた。
1番大きいって言っても、美奈の前は3人しかいないからね。
『釘宮さんを飛ばして釘宮さんの隣からして?』
先生は当たり前だけど私の声が出ないのは知ってる。
自己紹介なんて無理だしね。
私の隣って高瀬くんか。
高瀬くんは私が飛ばされたのがなんか気に食わないのか、
一瞬コッチを向いて席を立った。
「高瀬聖です。まぁサッカー好きですね。よろしくお願いします。」
なんともあっさりとした自己紹介。
でも、女子からの視線が熱い。
私には無理かも…。
だってちょっと赤みがかった茶髪。
顔は整っててすごくイケメンだと思うけど、
私はさっきのことがあるのでなんか嫌。
高瀬くんが自己紹介を終えた後、神田くんが席を立つ。
「神田悟です。趣味はバスケっていうか体を動かすことです。1年間、よろしくおねがいします。」
神田君にも女子から熱い視線。
それから順調に進んでいってなんも変哲もない自己紹介大会が幕を閉じた。
あっ、でも1つあったといえば、
美奈が神田君のことが気になったらしいとメモが来た。
美奈ってあんまし恋とかしてないから珍しいかも。
『よしっ、もう今日はこれでおしまいです。気をつけて帰ってね。』
先生の言葉でみんなが席を立ち次々と話し声が聞える。
「優貴、ちょっと神田君と話したいから少し待っててもらえる?」
美奈が小声でお願いしてきた。
モチ、待つに決まってるじゃん。
美奈だって私の願い聞いてくれてるんだから。
美奈が神田君と話しているから他の女子はなんか近づいてなかったけど、
その代わりに高瀬くんに女子がたくさん集まってた。
こんな人のどこがいいのか…。
そんなこと思いながら見てたらいきなり高瀬くんが私の腕を掴んだ。