流れ星のカケラ【完】

「優貴がそんなに悲しい顔してんのって両親が殺されたからなんでしょ?」

''優貴''そう呼ばれただけでちょっとムカついたけど、

もっとムカついたのはお母さん達のことを私の前で''殺された''そう言った事にはもっとムカついた。

しかも、なんで知ってんの?

あぁ、テレビとかで報道されてたんだ。

坂木さんが私には見せないように配慮してくれてたけど、

たまたま目に入ったときがあったから…。

「もしかして声も両親殺されたから出なくなったの?だから入学式の挨拶できなかったのか。」

もう!マジでイラつく。

でもね、この時のおかげかはわかんないけど…

「私のお母さん達が殺されたとかそう何回も言わないでよ!!それに気安く名前で呼ばないで!何にも知らないくせに…」


久しぶりに出たんだよ、声が…。

今まで声が出てなかったからあんまししゃべれないと思ってたら全然話せた。

むしろ、怒鳴ることが出来た。

聖には感謝してる。

まぁ、もうちょっと感動の声が出る瞬間の言葉がまともだった方がよかったけど…。

高瀬も驚いてる感じ。

でも私の方が驚いてるから。

「お前声…」

「そうよ、出てるよ。でもこんな時に出てもらいたくなかった!いい加減にしてよ。私には悲しみが心の中溢れてんだよ。お母さん達が殺された時だって流れ星が流れたよ。だからなんなの?あんたにその悲しみの何が分かるの?それに、あんたに名前を呼ばれる筋合いなんてないから。愛とかそういうのは他を当たってくれる?」

言いたいことを高瀬に言って屋上から私は走って逃げた。

もう、なんなの?

私の気持ちなんて…

気持ちなんて分からないくせに。








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