流れ星のカケラ【完】

廊下を思いっきり走って

涙が零れていくのを感じて…。

バンッ

私は思いっきり教室のドアを開ける。

みんなが瞬時に振り返るけどそんなの気にしない。

「優貴!?どうしたのっ??」

美奈が私の元へ駆け寄ってくる。

話そうとするけれど、

涙が邪魔するし、みんながいるから話せない。

美奈はまだ私の声が出たことは知らないから

「帰りながら話そう?」

そういって私の鞄を持ってきてくれて教室を出た。

教室を出たら目の前に大嫌いな人が現れる。

私は思いっきり睨みつけて大嫌いな人から離れていく。

美奈もなんか感じ取ってくれたのかな。

私とアイツの間になんかがあって今この状態ってことが。

自転車を押しながら校門を出る。

「優貴、高瀬くんになんかされたの?」

その前に、美奈に声が出ることを伝えなきゃね。

今話し始めたらすごい驚いちゃうと思うし。

ケータイに「今から言うことで驚かないでね?」

「うん。」

「アイツが…アイツがお母さん達のこと…」

そこまで言ったら美奈が

「優貴、声出るようになったの?」

そう言ってきた。

「うん…。」

私が頷くと美奈は涙を流した。

「ゆ、き…よかった。久しぶりに声が…声が聞けた。よかったね。声が出てよかった。」

私のために泣いてくれる友だちって美奈だけだよ。

そんな友だちがいる私は、幸せ者なのかもしれない。

神様が与えてくれた中で最高なことだよ。

美奈がいなければ私は今いなかった。

きっと途中で夢も希望も投げ出してた。

神様、あなたは私を生かしてくれるの?

希望の道を切り開いてくれるの?

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