流れ星のカケラ【完】
「ってことは、咲は俺を騙したんだな?」
「まぁそういうことだよね。」
「俺を騙していいと思ってんのかよ。今日寝るのが楽しみだなぁ。」
「ちょっ!!なにそれ///」
坂木さん、未成年がいる前で下発言やめてください。
今なら言えるけどあえて言わなかった。
だって、咲さんだってなんだかんだで嬉しそうだし←
「てか、マジで声出るようになったんだ!おめでとう!」
坂木さんは咲さんと美奈と違って笑顔でお祝いしてくれた。
「ありがとうございます。」
「しかし、優貴ちゃんの声可愛いなぁ。」
「冗談やめてくださいよ。」
「冗談なんかじゃないよ?すごい透き通っててキレイな声!」
なんかそういわれると恥ずかしい…。
でも、なんか心が温かくまたなるの。
「ねぇ、優貴ちゃん…優貴ちゃんの笑顔始めてみたかも。」
「えっ!?」
私、今笑ってるの?
笑ってるんだよね。だってさっきだって軽く1人で笑ったし…。
「優貴ちゃんの笑顔もとってもステキ。」
「優貴ちゃんをここまで変えたのは誰のおかげ?」
坂木さんの言葉でアイツの顔が頭に浮かんでくる。
私が笑ってるのもアイツのおかげなの?
そんなわけないよ。
だってこれはドッキリ作戦やったからだし…
でも、もし声が出なかったらこんなことしなかったよね。
やっぱり、アイツのおかげ?
「優貴ちゃん、どうしたの?」
「あっ、いえなんでもないです!」
「優貴ちゃんを変えたヤツに会いたいなぁ。その人が優貴ちゃんの希望の道かもね。」
私の…希望の道?
そんなわけない!
声が出たのはアイツのおかげでもあるけど、
久しぶりに出た声は怒りこもってたし…。
アイツが希望の道なわけない!
『高瀬くんのこと、考えてあげなよ?』
美奈の言葉が頭に流れる。