流れ星のカケラ【完】
坂木さんが運転する車に乗ってレメに向かう。
その間、ずっと咲さんといろんな話をしていて、
短い時間でレメに着いた感じがした。
『いらっしゃいませー。何名様ですか?』
「3人で。」
そう坂木さんが言った後、私たちはお店の人についていく。
「優貴ちゃん、何頼むの?」
「あの時と同じです。あっでもミルフィーユは抜かします。太っちゃいますし…」
「私もカロリー控えめにしとこ。」
今は21時。
女の人にとってはこの時間に食べ物を口にするのは後々地獄行きとなるからね。
あの時と変わらないベルを坂木さんが鳴らす。
あれから、お母さん達の誕生日と…命日、私の誕生日には坂木さんたちと一緒にレメにきてお母さん達が食べてたケーキを食べる。
『私を産んでくれてありがとう』
その感謝の気持ちを込めて。
でもね、今回は少し違うの。
『今も見守っててくれてありがとう』
その気持ちを込めて食べる。
それと、私の声が出たのと笑うことができるようになったことを伝えるため。
このケーキを食べれば宇宙まで想いが届きそうだから。
坂木さんが注文してから約15分。
今も変わらないチョコのケーキとフルーツケーキが来た。
咲さんはティラミスで、坂木さんは抹茶のケーキ。
坂木さん、何気に渋いかも。
クスッて笑ってしまった。
「やっぱり?優貴ちゃんも徹が抹茶ケーキなの面白いんだって♪」
「面白くて悪かったなぁ…。」
でも、それはそれでいいと思う。
「さっ、早く食べよ♪」
咲さんの言葉の後、初めて3人で声を揃えて
『いただきます』
この言葉を言って食べ始めた。