流れ星のカケラ【完】
食べ終わった私は歯磨きをして自分の部屋に戻る。
星高の制服は結構可愛いんだよね。
黒チェックのスカートに白のブレザー。
白のブレザーのポケットに学年別の色違いバッジがついてる。
星嵐高校なだけにバッジはたくさんの星。
あっ、星の後ろの背景が学年別の色になってる。
だから私のは赤のバッジということ。
「よしっ!そろそろ行くかぁ。」
時計を見ると8時。
我ながらいい時間。
「お母さん、お父さん。行ってきます♪」
昨日の朝まで、お母さん達には心で言ってたのに声に出せるなんて夢みたい。
こんな風に声を出して言えるなんて…。
でもね、一つだけ悲しくなってしまう。
あの時、なんで私は声が出ていたのにお父さんに挨拶をしなかったのかなと…。
それだけではないけど、後悔の気持ちが押し寄せてくる。
車庫にある自転車に乗って私は自転車を扱ぎ始める。
昨日と同じで桜並木がゆらゆらと風に揺られて花びらが舞っている。
「キレイだなぁ。」
そんなことを扱ぎながら呟く。
「優貴ー」
突然、後ろから私を呼ぶ声が聞える。
「美奈!」
「優貴おはよ。」
「おはよ。」
私と美奈は別に一緒に行く約束をしてない。
でも、たまたま会って一緒に行くの。
中学だってそうだったんだ。
「優貴、ちゃんと高瀬くんのこと考えてあげた?」
「うん…。謝るよ。」
「素直だねっ!さては今日の占い見た?」
「見た♪かに座が1位♪」
「私は2位!神田くんと何かあるかなぁ?」
ニヘヘとなんか怪しげに笑う美奈。
「まぁ、お互い頑張ろうね?」
「ちょっ、私は謝るだけで高瀬に恋愛感情ない!」
「でも、高瀬くんはあると思うよ?」
「アイツはアイツで私は私だからね?」
「はいはーい。」