流れ星のカケラ【完】

昨日と同じように校門を潜って駐輪場に自転車を置く。

「あぁぁぁ!!」

私はいきなり悲鳴をあげる。

「優貴!?」

「あの時…。」

昨日自転車置いて美奈のとこに行こうとしてぶつかった人って高瀬じゃん!!

うわぁ。

なんか最悪かも。

それも謝らなきゃじゃん。

「あの時がどうしたの?」

「あっ、ううん。なんでもないよ?」

「ならいいけど…。」

美奈にはあえて言わなかった。

どうせ言ったら

「運命じゃーん!」とか冗談言って私をからかってくるのが目に見えてるから。

「優貴、先生とかに声のこと言った??」

「うん。昨日電話で言っといたよ。」

だからべつに職員室に行かなくても大丈夫。

「じゃあさっさとこの地獄の階段を上ろ??」

「そうだね。」

本当に4階までが辛い。

自転車をこいだ後だからね。

なんとか上って5組まで歩いていく。

歩いてるたびに何度も美奈は声をかけられてた。

モデルの力ってすごいかも。

「もうさ、私がモデルとかべつによくない??」

「でも、すごいよ。」

「だって、どうせ声かける人ってただモデルの友達になりたいとか、モデルだから好きとかそういうのでしょ?」

「そんな人ばっかじゃないかもよ?」

「優貴みたいな子がいないんだよ。本当に私は優貴が好きだから優貴以外とはあんまし仲良くならないつもりだけど…。」

「美奈ぁ。」

なんか泣けてくる。

そんなにも思ってくれてたなんて。

「じゃあ神田くんも私みたいに思ってね?」

小声で美奈に言うと美奈は一気に 顔を赤くした。

「優貴、冗談やめてよ///」

「冗談じゃないよ??」
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