流れ星のカケラ【完】
教室に入るとすでに神田くんと高瀬が座っていた。
相変わらず女子に囲まれてる。
「早くしないと高瀬くん、誰かに取られちゃうぞ?」
「だからぁ、私はあんなやつ嫌いだって。」
小声で美奈と話しながら席に着く。
「鞄を置かせてもらってもいい?」
高瀬と神田くんの周りには女子がたくさんいて、私と美奈の机の周りにも群がっていて正直邪魔。
美奈は来たらすぐに女子がどいてたけど、
私のところは私が来てもお構いなし。
『ねぇ、釘宮さん声出なかったんじゃかったのー?』
この子ってたしか昨日美奈に話しかけてきた4人組の1人?
「なんかいつの間にか出たの。」
私はそういいながら女子に囲まれている高瀬が座っている方を一瞬睨みつける。
でも、女子に囲まれているのだから高瀬を見つけることが出来なかった。
『高瀬くん、メアド交換しよー?』
「俺、信用できるやつしか教えない主義なんだよ。」
へぇー…。
なんか以外かも。だってコイツなら普通にメアド教えるようなチャライヤツだと思ってたし。
席につながりながら外を見ているフリをしながら高瀬の話にそっと耳を傾ける。
今日も快晴。
『そっかぁ。じゃあ今日の放課後みんなでカラオケとか行かない??』
『いいね!』
『行こうよ。』
なんでこんなやつとカラオケとか行く気になるのかなぁ。
みんなの頭の中が見たい。
「悪いけど俺、そういうの無理だから。」
そう言って高瀬は立ち上がり教室を出て行ってしまった。
どこ行くんだろう?
「き…優貴!」
「何美奈?」
急に美奈に小声で呼ばれた。
「謝りに行くんだったら今だよ!」
「そうかな…。」
「そうだよ!早く行ってきなよ。」
「わかった。」
私はそう言って席を立ち上がり教室を出て高瀬が行ったと思われる方向に進む。
美奈、よく神田くんと仲良く話してたのに高瀬の話も聞いてたよね。