流れ星のカケラ【完】
もしかして…。
なんかわからないけど勘でその方向のまま屋上に向かった。
ちゃんと謝らなきゃ。
ガチャッと鉄扉を開けると、
勘がが当たって高瀬がフェンス越しに空を見ていた。
「ねぇ、何してんの?」
ビクッと体を震わせてコッチを見る高瀬。
「なんだよ。」
「別に。ただこっからの景色を見るために来たの。」
ってなんでこんなにも私って生意気なの!?
ちゃんと素直になってよ私の口!
「じゃあもう俺戻る。」
えっ?
だって今来たばっかじゃん!
このままだったら謝れないし…。
高瀬は私の隣をすれ違って鉄扉の取っ手に手をかけた。
「まっ、待って!!!!」
迷ってる暇なんかない。走言い聞かせて声を出した。
「何?」
高瀬が手を取っ手からはずしてコッチに来る。
ちゃんと謝るの。
私だったらできるから。
「あの…昨日はごめん。」
神様ってなんで''ありがとう''、''ごめん''この言葉を素直に言わせてくれないの?
「それ、どっちので謝ってる?」
「ハイ?」
「だから、ぶつかったのと、怒鳴ったの。」
「…ぶつかった方。」
わぁお。なんて私は正直じゃないんでしょう。
両方のことを謝ってるんだよ、本当はね?
「ふーんそっか。」
何それ!?せっかくちょっと素直じゃない部分もあるけど頑張って謝ったんだよ?
それでそんな反応ですか?
「何それ!?ぶつかったのは私が悪かったんだし…それは悪いと思ってる。でも、怒鳴ったことに対しては謝るつもりなんてないから。」
もう、どこまで嘘を言うのかこの口は。