流れ星のカケラ【完】
昨日は、あんなに怒鳴って怒ったけど、
咲さん、美奈が私のために泣いてくれたんだし、
笑う楽しさもわかったんだから。
だからもう別に怒ってない。
まぁ、お母さん達のことを何回も言ったのは少しプチッと来てるけどね。
「…ごめん。」
急に高瀬が謝ってきた。
「勝手に呼び捨てしたり、意味不明なこと言ったり、釘宮を怒らせるようなこと言って悪かった。」
別に私は高瀬に謝って欲しかったわけじゃない。
てか、なんか昨日と全然思ってることが違うかも。
嫌いってさっきも美奈に教室で言ったけど、
そこまで嫌いじゃないような気がしてくる。
「こっちこそごめんね。ぶつかって…屋上で怒鳴って。」
よし、何気にスラッと言えた。
普段だったら私はしないと思う。
でも、占いで正直で素直になればいいと書いてあったからしたの。
「仲直りの印ね?」
私はそう言って高瀬に向かって手を差し出した。
一瞬、高瀬はビックリしてたけど、
私の手を握ってくれた。
高瀬の手って暖かい。
なんでだろうね。心までまた温かくなる。
「あのさ釘宮。」
「何?」
「昨日の付き合ってみないっていうの、嘘だから。」
「分かってる。」
嘘。分かってない。多分、もう私はあなたが好きになってたの。
だから聖の言葉を聞いて胸がズキンって痛んだ。
告白してないのにフラれた感じで…。
「あっ、ねぇ…私、高瀬が言ってた流れ星の意味、少し分かったような気がする。」
これは本当だよ?
「そっか。」
高瀬は私に向かってニコッと笑いかけた。
ドキン
ほら今度はドキドキする。
カァァァと体がみるみる赤くなるの。