流れ星のカケラ【完】


美奈の隣は…

神田くんじゃ…ないじゃん。

でも、美奈の斜め左にいる。

よかったぁ。2人も隣じゃないけど近いじゃん!

「みんな、席移動したよね??」

先生は全員が席を移動したことを確認して

いきなり教卓から楽譜を取り出した。

「えっと…10月に合唱祭があるんだけどね。私と音楽係の2人と選曲しちゃいましたっ!」

合唱祭??

もうそんな時期だっけ??

でも、練習もあるしね…。

私は、中学の合唱際は1人だけ観客席でポツンと見てて、

いつか声を出してみんなと歌えるようになりたいと夢見てた。

そんな日が高1で来れるとは…。

本当に嬉しい。

「3人が選んだのは…」

先生が黒板に曲名を書き始める。

「あれってさ、シューマンのだよね。」

「しかも、あれってソロあるよな?」

聖と書かれた曲について話す。

「あれってさ、歌詞が意味不明だよねー。覚えにくいらしいしさ。」

「そうそう。でも、この曲有名なんだよな。ドイツ行って歌ったら一緒に歌ってくれるんだとさ。」

「えぇー!?一緒に歌ってくれるの?でも、日本語とドイツ語じゃわからないんじゃ…。」

「メロディでわかるだろ?」

「あっ、そっかぁ。」
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