同じ空の下で
電車の音。小鳥のさえずり。畳の匂い。起動の遅いパソコンのように、ゆっくりと目の前に広がっていく画面。景色。
天井だ。
僕は起き上がる。まるで今生まれたばかりのような気がする。
小さな部屋。何故か見覚えがある。
ハッと思い、僕は洗面所へ走る。鏡に映ったその姿は、僕だった。当たり前だけど当たり前じゃない、現在の僕だ。
中学生の幼い僕は、もういない。
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