同じ空の下で

不思議なことに、学校の正門へは何も考えないで辿り着けた。無意識に、体が覚えていたのだろうか?
外は蒸し暑かった。この時代にやってくる前、つまり未来でいた時間と同じくらいの時期だろうか? いや、こっちは真夏の暑さ。半袖のカッターシャツにすぐに汗が染み込んでいく。正門を出て、どっちへ行けばいいのか……残念ながら、そこからは感覚は働かなかった。とりあえず僕は人気の少なそうな右手へと歩き出した。今はまだこっちでの記憶がほとんどない。そんな中で知り合いにでも出くわしたら面倒なことになりかねない。
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