同じ空の下で
僕は一度だけ振り返ってみる。ほんの一瞬だけだ。真鈴と貴田先生は、接触してるようにもしてないようにも見えた。そしてもう一度前を向き走る。角を曲がり、もう二人からは見えなくなる。そしてまた何度も角を曲がる。自分でもどこへ向かっているのかなんて、判らない。景色は変わり続けてるようにも、何ひとつ変わっていないようにも思えてくる。それでも僕は走る。
「中山遊園地」
真鈴が言ったそのキーワードだけを頼りに、鞄ひとつを抱えて突き刺す太陽の下を、僕は走り続ける。
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