同じ空の下で
遊園地
公園があった。かなり大きい。僕はそこへ入り、とりあえず水道の水を飲む。切れた息はなかなか元に戻らない。
ベンチに腰掛け、高い空を見上げる。真鈴とはぐれてしまった。真鈴は今大丈夫なのだろうか。また会えるだろうか。
そうだ、中山遊園地を探さなくちゃ。立ち上がり、周囲を見回す。緑に囲まれた公園。その木々にとまった蝉たちの声がうるさい。一体何を言っているんだろう。そんなに何か言いたいんなら、僕のことを教えてくれ。 「お困りですか?」
「どうしたんだ?」
ふたつの声に振り向くと、小さな男の子が二人、そこに立っていた。
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