二藍蝶
着信音が鳴ると同時に
私は電話に出た。

「もしもし、ヒロ?
 うん、今、家を出たよ
 ・・・・・・
 えっ、そうなんだぁ」

私は、振り返り下って来た
ばかりの坂道を見上げた。

「30分ぐらいなら
 待ち合わせ場所の
 駅前で待ってる
 
 うん、急がなくていいよ
 
 近くの書店で
 時間潰して待ってるから」

自転車を漕いで、駅へと向う。

通話の相手は、茉優。

そう、私達は、あの後から
急速に仲良くなった。

学校での茉優は、顔が広く
たくさんの友達が居たけれど
なぜか休み時間、お昼休みには
私のクラスへ遊びに来て私と
一緒に過ごしてくれた。
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