二藍蝶
俺は、微笑んで見せた。

「何、見惚れてんだよ」

「えっ、何?」

「ほらっ、行くぞ」

怒った態度で、男は女の
腕を掴んで歩いて行く。

煙草を吸いながら、俺は
その場にしゃがみ込み
行き交う人々を見つめる。

こうして、人を観察するのは
結構、好きだ。

マジかよ・・・

俺の方へと歩み寄るのは
知ってる顔・・・弦。

俺を見下ろして奴は言う。

「カイリ、まだ居たんだぁ
 お前らしくないじゃん」

「うるせぇ、来るなって
 言っただろう」

俺の隣にしゃがみ込んだ
弦は、俺が銜えている
煙草を取った。

弦は、そのまま煙草を吸う。
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