二藍蝶
ママの家の最寄駅に着いた頃
車のクラクションの音が
聞こえた。

私は、その方向を見て
立ち止まる。

だって、芳野の車が
道路脇に停まっている。

どうして・・・?

車の傍へ近寄ると助手席の
ドアが開いた。

「アイ、おかえり
 さあ、乗って」

「ヨシノ、どうして?」

「いいから、早くしろ?」

車内には、芳野が一人だけ。

「ヨシノ、一人で
 いつから、あそこに?」

「お前、携帯
 まとめた荷物の中に
 あったぞ」

「えっ、本当?
 そう言えば・・・」
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