二藍蝶
千夏に合わせる顔が無いと
手元を見つめながら、浬は
話し出す。

「昨夜は、ごめん
 
 バイクに乗ったこと
 反省してる」

「そう、もう乗らないの?」

「ああ、乗らない」

「じゃあ、イオリには
 黙っててあげる
 
 その代わり
 今回だけよ」

「ありがとう・・・」

ほっとした浬は、深く息を
吐きながら想う。

悲愴な親父の顔を
俺は二度と見たくない。

俺を失うことを恐れ
俺を抱きしめ微かに
震える親父・・・

もう、懲り懲り。
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