二藍蝶
絶対の安らぎの中で

俺は眠る・・・

そんな俺が、本当の強さなど
分かる訳が無かった。

カーテンを開ける音が聞こえた

朝の光が、眠る俺に突き刺さる

「カイリ、起きなさい」

脱ぎ捨てられた学ランを
ハンガーに吊るした母は
制服のシャツを手に取る。

「カイリ、停学だからって
 ダラダラ過ごしていいって
 訳じゃないのよ
 ほら、起きなさい」

俺から布団を取り上げる母。

「もう少し、寝かせて」

俺は、横を向く。
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