二藍蝶
「やめてよ

 どうせ、また
 私を捨てるんでしょう?
 
 また、私の前から
 消えるんでしょう?

 それなら
 今すぐ消えて・・・」

悲しい瞳で、俺を見つめる
お前の唇に、俺は触れる。

もう、これ以上
何も言うな・・・

言わなくていい・・・

俺は二度とお前の前から
消えたりしない。

お前が望むなら、俺の愛を
俺の、この命さえも
くれてやる。

だから、お前の傍に
居させてくれないか?

俺を求める、お前の唇は
口紅の味がした。

重なり合う唇・・・

息もできぬほどの口づけを。
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