二藍蝶
寂しそうに黙ったまま
母は頷いた。

「ありがとう、ママ」

母の肩を、芳野は優しく
抱き寄せた。

「離れていても
 俺達は家族だ」

「そうね
 アイ、頑張りなさい」

そして、私は大好きな家を
出た。

「アイ、お前が
 一人暮らしだなんて
 信じられねえな・・・」

「どうして?
 一人でちゃんと
 暮らしてるよ」

『甘えるの、ダメ?』

そう言って甘えてみせた
16歳の藍の姿を、浬は
思い出して微笑む。

「もう、信じてよ」

浬は、藍を抱きしめる腕を
強め、耳元で囁いた。
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