二藍蝶
「はい
 今、行くから・・・」

「アイさんの声だぁ
 懐かしい」

「なんか、俺
 
 すげぇ、緊張してきた

 もう一回、便所」

トイレへ急ぐ、弦。

笑い合う、声・・・

私はドアの前、立ち尽くす。

本当は、少し前に
着替え終わっていた。

いつでも出て行けたけど
ドアの前で空気が変わる
のを待っていた、私。

昔のように、この部屋から
『昨夜は浬に抱かれました』

そう、宣言しているように
出て行く事が恥ずかしいと
いう思いもある。

だけど、その思いとは別に
私がこの部屋を出て行く事が
できないのは・・・
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