二藍蝶
この二十日間、浬は
眠り続けている。
それは、まるで父親の
亡き妹と同じように・・・
このまま、眠りから
覚めなければ、植物状態。
病室へ、釈放された
塁が初めて会いに来た。
病室には、母・菫の姿。
塁は、浬の頬に指先で触れる
「カイリ、帰ったぞ」
「・・・・・・」
閉じたままの、瞳
動かない、唇
「カイリ、なあ
何か言ってくれよ
・・・
つまんねえ・・・」
溢れる涙を、塁は右腕で
拭う。
「岸邊さん
今日は、どうもありがとう
戻ったばかりなんでしょう?
今日は帰って、ゆっくり
休んだ方がいいわ」
「はい、また
来てもいいですか?」
「ええ、カイリも喜ぶわ」
眠り続けている。
それは、まるで父親の
亡き妹と同じように・・・
このまま、眠りから
覚めなければ、植物状態。
病室へ、釈放された
塁が初めて会いに来た。
病室には、母・菫の姿。
塁は、浬の頬に指先で触れる
「カイリ、帰ったぞ」
「・・・・・・」
閉じたままの、瞳
動かない、唇
「カイリ、なあ
何か言ってくれよ
・・・
つまんねえ・・・」
溢れる涙を、塁は右腕で
拭う。
「岸邊さん
今日は、どうもありがとう
戻ったばかりなんでしょう?
今日は帰って、ゆっくり
休んだ方がいいわ」
「はい、また
来てもいいですか?」
「ええ、カイリも喜ぶわ」