二藍蝶
こうして、貴女の元気な姿を
見ることができて、本当に
良かった。

それだけが、救い・・・

藍は、電車に揺られながら
さっきの彼の事を考えていた

それにしても、あの男の子

出会った頃の浬にそっくり
だったなぁ

稀に見る、極上の美男子を
私は二人も目撃してしまった

そんなことを思い、微笑む
私の事をおかしな顔で
見つめる小学生ぐらいの
女の子。

私は、女の子に微笑み
かけた。

その時、隣のお母さんらしき
人が私の顔を覗き込む。

バレちゃったかも・・・

俯く、私の名を呼ぶ声。

「アイちゃん?」

気づかれた

・・・どうしよう?

「私よ、ユキノ
 覚えてないかな?」

私は、顔を上げて真っ直ぐ
彼女を見つめた。

「ユキさん・・・えっ
 もしかして赤ちゃん?」
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