二藍蝶

この番号に電話をかければ
あんなにも聞きたかった
浬の声が聞ける。

ねえ、藍

貴女は、何を迷うの？

雪乃が、藍に
最後に告げた言葉・・・

「この中で、どれかひとつでも
　できないものがあるのなら
　カイリの電話番号を
　削除しなさい」

極道の世界に棲む、浬に
ついていくと決めたからには
これぐらいの事、守れないと
やっていけない・・・

そう、ユキさんは
私に言いたいのだろう・・・

生半端な気持ちじゃ
浬に逢っちゃいけない。

浬の為に残りの人生を
捧げる事、私にはできる。

どんな浬でも、私は
受け止められるよ。

ただ、全てを捨てても構わない
と思っている反面

裏切り続けた、茉優に社長
スタッフ、ファンの皆の事

私は捨ててもいいのだろうか？

私一人の力だけで
今の沢井藍があるんじゃない

今の地位を摑めた背景には
皆の助けがあったから・・・

私は、仕事を捨てられる？

私は悩み、惑う・・・