二藍蝶
昔のように
浬を思う気持ちだけで
突っ走ること・・・

今の私には、できない。

どうすればいいの?

私は、あれから毎日
携帯電話を弄り続け

貴方の番号を見つめて
胸が苦しくなる。

削除するどころか、今では
完璧に暗記してる。

浬に連絡を取れないまま
私は、いつもの日常を
送っていた。

一日一日が、過ぎて行く。

久しぶりの休日。

茉優から、連絡を貰った私は
待ち合わせの場所へ
出掛けて行く。

季節は、もうすぐ春・・・

私は、青色のワンピースに
身を包み、スプリングコート
を羽織って陽気な日差しの下
を歩く。

茉優の居る、撮影場所まで
タクシーは使わずに歩く
私の瞳に映る人。

そう彼は、浬によく似た
リンと言う名前の男の子

こんなところで
また会うなんて・・・

彼は一人きり、颯爽と
街を歩く。
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