二藍蝶
「ヨシノ、ここ、座れよ」

「ああ、すまない」

伊吹の隣の席に、芳野は座る。

茅野と並んでキッチンに立つ
藍の姿を見つめる、伊吹と芳野

「アイは、本当
 昔から、お前の事が
 好きだな
 
 遠い昔の
 ヒイロを見ているようだ」

「ああ
 
 女に養ってもらう
 どうしようもない男に
 引っかかって
 泣いてた頃のな?」

「ああ
 とんでもなく
 どうしようもない男」

「言うねぇ」

「どうしようもない男って
 何?」

真剣な表情で問いかける
のは藍の弟、翠(すい)。

二人は、笑い合う。


< 89 / 918 >

この作品をシェア

pagetop