Everlastingly Love
それから彼は一度も弱音を吐かずに頑張った。
20歳で即位し、妻を何人か娶ったが煩わしい妻とは関わりたくないため話すらしなかった。
国を治め、領土を増やし、剣技を磨き、走り続けた。
5年後に運命的な出会いを果たすまでは………
ジェイドが25歳の時に戦争で見事勝利をした帰り。国境を越えるために険しい山越えをしなくてはならず、疲れた体に鞭を打って歩き続けていた時の事。
ジェイドの命を狙う残党が機会を狙っており、捨て身でジェイドに体当たりをしてきた。
ジェイドはバランスを崩し、崖から落ちた。
落下したジェイドは足を骨折しただけで命に別状はなかったが、骨折した箇所が悪かったのか歩く事が出来なかった。
このままではいずれ餓死するか衰弱死するかどちらかだな。
さて、どうしたものか…………
そんなジェイドの元に天使が現れた。
「あら?どなたかいらっしゃいますの?」
「こっち……だ……」
助けが来るように何とか動いて目印に焚火をしていたのだ。
現れたのは見事な銀髪を持つ、この世の者とは思えない程美しい少女だった。
その少女こそ後にレイリーゼ国の王妃になる当時15歳のアリアである。