甘い秘密指令〜愛と陰謀に翻弄された純情OL〜
そうこうしている内に、恵美ちゃんと待ち合わせた駅に着いた。

恵美ちゃんも進藤さんも既にいて、ロータリーで待っててくれた。

今日の恵美ちゃんは、白のブラウスにベージュのバギーパンツ。大人っぽく、スタイルの良さが際立っている。

進藤さんはジーパンにデニムのジャケット。会社での印象より若く見える。

簡単に紹介し合い、恵美ちゃんと進藤さんは後部座席に乗り込んだ。

「いい車ですね。僕もこういう車を持てるといいなあ」

進藤さんはよくしゃべる人だった。恵美ちゃんは相槌を打ったりツッコミを入れたり、会話は途絶えることなく続く。

『先輩』『恵美』と呼び合っていて、いい感じの二人だった。

車は高速道路を西に進んでいる。ドライブを兼ねて、少し遠い沼津の水族館を目差していた。

ラッコを早く見たいと進藤さんがはしゃいでいる。
私もラッコは大好き。愛らしさに胸がキュンとなる。

そもそも水族館に行きたいと言い出したのは進藤さんらしい。
進藤さんって、そういうキャラなのね?

私と征一さんにはあまり会話がない。時々、『寒くないか?』『休憩するか?』とか、『疲れませんか?』『飴、舐めますか?』などとやり取りする程度。

それでも私にとっては充分楽しいひと時だ。征一さんの隣にいられるだけで、幸せを感じる私だった。
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