[君の秘密]
君は誰よりも優しくて
誰よりも気高いから

噂で人を判断しないんだね


俺と直人はなにも言えなかった




[ふたりとも、ありがとう
もう、平気だから、大丈夫]

君は顔に笑みを浮かべながら言った

俺と直人は無言のまま
君から少し、離れた





君はその場を去っていった



[なぁ、とも]

直人の呼びかけに
俺は直人に目を向けた











[白石、…ってさ、
なんで、あんなに強いのかな]


[え…]


[だってさ…、普通あんな長身の男に詰め寄られてあんな小さい身体で必ず守ってくれる奴がいるわけじゃないのに、なんであんなに強く、いられるのかな…]

















直人がそう呟いているのを
俺は無言のまま聞いているだけだった













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