俺様と奏でるハーモニー
修さんの車は、独身なのに無駄に大きい「オデッセイ」だったりする。
たしか、こっちに赴任してから買ったはず。
「なんでこんなに大きい車に乗ってるんですか?」
乗り込んですぐ聞いてみた。
「何度も買い換えるのは面倒だし、島流しで金は貯まってたし」
「へぇ~、島ってそんなにお金貯まるんですか?」
ん? ちょっと修さん、嫌な顔をした。
「……そこかよ、突っ込むところは……。
まあ、僻地(へきち)手当はものすごい金額出るからさ。
今の給料の1、5倍以上ってところかな。
前にも言ったけど、娯楽もないし、なかなか島から出る暇もなかったし。
だから、貯金はまあまあある。
その辺は安心しろ」
……何をどう安心するのよ?
肝心なことはまだ何も聞いてないわよ、私!