俺様と奏でるハーモニー
「保健室での城田先生との話といい、今の話といい、修さんは何だかものすご~くいろんなことをたくらんでませんか?
私抜きでどんどん話が進行してるような気がするのは、気のせい?」
ハンドルを握り、まっすぐ前を向いたまま、修さんが答える。
「家に着いて練習してからちゃんと話すよ」
……そうだった。
民間アパートだから、楽器の練習ってだいたい夜8時位までが常識の範囲内よね?
多分、修さんは何度も演奏したことのある『春の海』だけど、私は当然初めて合わせるんだもん、結構緊張しますよ。
音楽室で練習はしたけれど、やっぱりピアノと琴だと雰囲気も全然違うし。
それでも、修さんがどんな演奏をするのかは、やっぱり興味があった。
そうこうしているうちに、車は修さんの家の駐車場に着いた。
家の中に入ると、今朝とはまた違ったいい匂いがする。