俺様と奏でるハーモニー


「この3ヶ月、ずっと由奈の事を見ていた。

……だから、知ってる。

可愛くておしとやかそうな見た目によらず、ものすごく根性があるって事を。

何でもそつなくこなしているように見えて、実はひたむきに努力している事を。

どんな仕事も、責任感とプライドを持って、きちんと成し遂げている事を。

本気になるのに、時間はかからなかったよ。


由奈は多分、花田先生のように一人でも生きていけるタイプだと思う。

きっと、仕事に生きることを選択したら、校長で上がりになりそうだよな。


だけど。

城田先生のように、仕事と家庭の両立を目指してみて欲しい。

これはある意味、管理職になるより、ずっと難しいと思う。

それでも、俺とならできると思わないか?


由奈、これからの将来を俺に任せて欲しい。

きっと、後悔はさせないから。

一緒に、家族を作り上げよう。

……いとおしい由奈を、独り占めさせて欲しいんだ。

子どもが産まれるまで、だろうけどな」



排気ガス臭くて暗い、立体駐車場に停められた車の中だったけれど。


やっぱり最終的には、すごい自信たっぷりの俺様発言が目立ったけれど。


私には修さんの本気の言葉に、頷くことしかできなかった。


胸がいっぱいで、言葉にならなかったから……。


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