俺様と奏でるハーモニー


「そうだったんですね……私はもともと、あまり職員室にいられる時間がないので、全然知りませんでしたよ」


というより、修さんを徹底的に避けて、授業以外の時間もなるべく音楽室にいたもの。


「いいよな~、由奈は。ある意味、個室が与えられてるもんな。

……そうだ! 俺も今度から音楽準備室にこもらせてもらう」


はぁ?


「なんで修さんが音楽準備室に来るんですか!!」


「そりゃあ、俺、尺八の練習しなきゃならないし。

余興は校長命令みたいなもんだろう。

職員室は居心地悪いわ、数学準備室はじいさん教員供の茶飲みスペースになってるわ、俺の教室は放課後、生徒がいちゃいちゃしてるわ……。

安心できる場所が、トイレの個室だけってどういう事だよ!!

だから、由奈の準備室、俺にも使わせろ。

誰かに何か言われたら、尺八の練習してるってバラしとけ、もうこの際何でもいい!!」


「何でもよくありません!! 私の安心できる場所を取らないでくださいよ」

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