俺様と奏でるハーモニー
私もいい加減、怒るわよ、全くもう。
教員はかなり平等な世界とはいえ、一応年功序列だから、担任でキャリアの長い修さんは私の直接の上司、みたいなものなのよ。
だけどね、こんな俺様教員に振り回されるのは嫌に決まってるでしょ?
睨みつける私に、修さんはさらにとんでもないことを言い出した。
「俺と由奈が音楽準備室にこもってたら、きっと森本と若松さんも諦めると思わないか?
森本と若松さんと由奈、誰がどう見ても、絶対由奈が一番俺にふさわしいだろ」
……そんな笑顔で、私のプライドを満足させるような事言っても、騙されないんだから!
「だって、私のこと大嫌いだって、このリビングで叫んだじゃないですか、引越しの日!」
「あれはまだ、お互いのことを理解していなかったからな。
見た目よりできる女だっていうことは、よくわかったよ、由奈。
仕事ができて、見た目も良くて、料理もできるんだろ?」
うっ……料理は、これから頑張るわよ。