俺様と奏でるハーモニー


私の車を塞いでいた住人は、どうやら朝早い仕事の人らしく、7時には車を出していた。


あ~、助かった! これでやっと家に帰れるわ!


「それじゃあ修さん、お邪魔しました。

ジャージは後でお洗濯してお返ししますね。

それと、ご馳走様でした。ご飯、おいしかったです」


ぺこり、とお辞儀をして出て行こうとしたら。


「俺も、ご馳走様でした。

……上手いよな、お前。何だかソウタにちょっと妬けた」


「なっ、ナニガデスカ!!」


「最後まで言わせるな。もう一度試したいなら別だけど」


「んな訳ないでしょ!! さよならっ!!」


「あ、書いた譜面持って来いよ」



なんて奴なんて奴なんて奴!!


……でも、4年ぶりにものすごくドキドキしたわ。


ちょっと、ヤバいかも。




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