俺様と奏でるハーモニー
大急ぎで家に帰って、さっさと着替えて、メイクして。
時間にそれほど余裕がなくて、髪の毛は当然巻いてる暇なんてない。
仕方がないから、めったにしないけどアップにしてバレッタで留めた。
よし、デキる女、完成!
今日もお仕事頑張っちゃうわよ!
結局、学校にはいつもと同じくらいの時間に着いた。
隣の席の修さん……もとい、五十嵐先生はまだ来ていない。
大丈夫かしら、一睡もしていないから、短い距離とはいえ、居眠り運転なんてしないでしょうね?
机の上に、カバンから出した教務手帳を開いて、今日の授業内容を確認していたら。
五十嵐先生、ご出勤。
いつものように、さりげな~くご挨拶。
「おはようございます」
「おはようございます。
……髪の毛、アップにしてきたんですね。似合うな」
私がせっかくさりげな~くしてるのに、何なの、この人は!