俺様と奏でるハーモニー


職員朝会が終わり、事務の小林さんが淹れてくれた美味しいお茶を飲み干して。


私は音楽室へ移動しようと席を立った。


そうそう、『春の海』の譜面も持っていかなくちゃね。


授業で使っている譜面用のファイルの一番最後に、手書きのピアノ譜を入れた。



その時。


「芹沢先生、昨日の件、進んでいますか?」


出た、見栄っ張り校長。


「ええ。早速昨日、琴のパートをピアノ譜におとしました。

……まだ弾いてませんけれど。

ちょっと空き時間に弾いてみたいと思っているのですが、よく考えたら勤務時間中ですよね。ダメだっていうことに今、気づきました」


そ、あくまでも余興の練習としてだと、勤務時間外にやらなきゃいけないはず。

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