霊務3
「託された願い-5」





相手がどんなに素早くても
関係ない。







半径数十メートルにも及ぶ
範囲内に居れば、
いとも簡単に
術にかける事は出来る。








もはや、
勝負あったようなもの。







後は
先程の天狗のように、
一気に片付けるだけだ。








しかし、
亀咲は攻撃が
出来なくなったのに、

未だ余裕の笑みを
浮かべている。









「最期に言う事はないか?
四獣霊」








「あら?
誰が最期だって?」









「強がるな。
攻撃も出来ないお前に
これ以上何が出来る。

先に攻撃したら
ワシに勝てたかも
しれないものを、
相手を甘く見ていた結果だ」








当然これから仕掛ける
大男の攻撃も、
フラフラなら
防ぎようがない。








つまり防御も
失っている状態なので、
どう足掻いても
こちらの
勝利は確定している。









しかし、
何なのだろう……?









このえもいえぬ
不安な気持ちは…
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