愛図~言葉なんていらない~
「え、なんで?」
自分で分かるくらいしゅんってなる。
「その日、試験初日だろ」
「うっ……」
「実夏、化学系やばいんだろ?」
「うっ……」
「単位落とすぞ?」
「うぅ~~~」
がくっと、彼の肩に頭をつけた。
記念日にデートできないなんて、寂しすぎる…。
「東條くん~」
「ん?」
ゆっくりとあたしの頭を撫でてくれる。
普段素っ気ないけど、2人きりのときはすごく優しい。
優しい笑顔を、私だけが見れる。
こんなに嬉しい特権はないよ。