意地悪な先輩〜バレー部の二人の王子〜

発熱

私はふらふらしながら、やっとの思いで教室に戻った。

頭がボーッとして、意識が朦朧としてきた。

裕樹先輩からの告白や、聞かされた水嶋先輩の話が、本当に現実だったのかも、分からなくなってきた。

あれはもしかして、夢だったんじゃないかと思う。


「メグちゃん、大丈夫？ すごく具合悪そうだよ」

椅子にドスンと座った私に、加奈ちゃんが心配そうに聞いた。

「加奈ちゃん、ダメかも。今日の部活は休むね」

「うん。それより、早退した方がいいんじゃない？」

「うん。そうだね…」

その時、またドアの方が騒がしくなった。
無視していると、『竹中さーん』と私を呼ぶ声がした。

声がした方を見ると、目が霞んでよく見えないけど、水嶋先輩っぽい人が立っているように見えた。