こころ、ふわり
寝室に一人になった私は、濡れた制服を脱いで先生に借りた服に袖を通す。
身長の高い先生の服は161センチのわたしにはとても大きくて、それでもそのぶかぶかなサイズ感にちょっと嬉しくもなった。
すると、制服のポケットに入れていた携帯が床に落ちてしまった。
それと同時に携帯が震えていることに気づいた。
着信だ。
急いで携帯を手に取ると、菊ちゃんからちょうど電話が来たところだった。
どうしよう。
出るべきだよね。
そして、もし可能なら今からでも彼女の家に泊まった方がいいんだ。
その方が先生にとっても私にとってもいいはず。
頭では分かっているのに、私は菊ちゃんからの電話に出られなかった。
このまま先生と一緒に過ごしたいという気持ちの方が強かった。