こころ、ふわり





翌日、澪が若菜に今度徳山先生を紹介したいと言ったら、若菜はこれまでに無いくらい興奮した様子で喜んでいた。


「えぇっ!本当に!?徳山先生に紹介してもらえるの!?嬉しい!え、会えるってことだよね!?どうしよう!」


と、ワタワタとその場で走り回っていた。


どうやら若菜は徳山先生に虜になっていた女子生徒の1人だったらしい。


若菜の新たな一面が見れて、その素直な反応に私も澪も思わず笑ってしまった。


「でもさ、徳山先生が辞めちゃってから、若くてかっこいい先生いなくなっちゃって悲しいよ」


ふぅっと大きなため息をつく若菜に、いるでしょ芦屋先生が、と言いたくなったところをグッと我慢した。


好みのタイプは人それぞれだし、文句の言いようもない。


「4月から来た新任の先生も女しかいなかったし、生物の小宮はチビだし小太りだし」


若菜のぼやきを聞きながら、そういえば菊ちゃんも生物の小宮先生をチビで太っていると評価していたのを思い出した。


そして、それと同時に新任の先生ですぐに国語の玉木先生のことを思い浮かべてしまった。


芦屋先生が担任を受け持つ1年生のクラスの副担任。


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