こころ、ふわり


部活中に菊ちゃんに、もう一度芦屋先生に話をしに行くと伝えたら、とても喜んで応援してくれた。


でも、1番気がかりなのは、もしも美術室に芦屋先生以外の誰かがいた場合だ。


これだけ決意をしても、誰かがいたのでは話も出来ない。


万が一、玉木先生がいたりなんかしたら。
この決意は即揺らいでしまうだろう。


若菜によると、美術部の活動は運動部に比べるとかなり早く終わるようで、そのあと芦屋先生が美術室で仕事をするのか職員室で仕事をするのかは、その時によってちがうらしい。


今日は美術室で仕事をしていてほしいな、と心から願った。


顧問の先生に指示された筋トレのメニューをこなしながら、チラチラと時計を何度も確認する。


刻一刻と迫る部活の終了時間を、私は待ち望んだ。

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