天涯の花


「空から見ると、地上の太陽はこんなにも眩しいのに」


目眩のするような、黄色の花の洪水が目に飛び込んできて、竹井の背を見失う。


「……どうして気付かなかったんだろうか」


声だけがヒマワリの向こうから囁きかけてきた。

竹井の姿を探してヒマワリたちを掻き分ける。



掻き分けても掻き分けても、続くヒマワリ。

太陽を追う花たち。


けれども、太陽もまた、ヒマワリを追っているのかもしれない。


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