天涯の花



自分がなぜ、こんなにも焦った気持ちでいるのかよく分からなかった。

けれども、今は竹井を追いかけなければならない気がしていた。


ようやく、最後の一本を掻き分け、通りへと顔を出す。

そこには、竹井の後ろ姿があった。


「……竹井」


ほっと胸を撫で下ろし、その背に向かって声をかけた。

竹井がゆっくりと振り返り、微苦笑を浮かべる。



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